昨日、母の遺品である着物を買取業者に依頼して処分しました。母が亡くなってから数年。和箪笥に保管したまま、
ずっと気にはなっていたものの、なかなか腰が重く手を付けられずにいました。
しかし、着物は保管年数が経過するほど価値が落ち、やがて値がつかなくなると聞いたため、「今回がラストチャンスかもしれない」と思い、ようやく重い腰を上げたのです。
行政書士として日頃から相続や遺言、エンディングノートのサポート活動に携わっている私ですが、
実際に当事者となってみると、遺品整理で、多くの気づきがありました。今回はその体験を、同じような立場にある方々への参考として共有したいと思います。
買取の現実:期待と実情のギャップ
まず、ネット検索で買取業者を探し、電話で連絡しました。土日を挟んで3日ほどで自宅に訪問していただけるというスピード対応は助かりました。
しかし、実際の査定方法は想像とは少し違ってました。うちに訪問してきた方が査定するのではなくて、携帯電話で撮影した画像を会社に送り、
その画像を基に会社で査定するという感じでした。質感とか色合いは画像によるかも・・・?
結果として、5着ほどの買取で1000円。期待はしていなかったものの、やはり少しだけがっかりする金額でした。(全くの素人がちょっと期待してただけなんですけど・・・笑)
買取不可の着物
買取不可の着物が15点ほど残ったことです。買取業者の方からは「ウールの着物は買取できない」と説明されました。
家着扱いになるとのことで、実は母の着物にはウールのものが多かったようです。
買取業者の方によると、今は動物や楽器などの柄物や淡い色の着物が、外国人観光客向けのレンタル用として人気があるそうです。
買取できなかった着物の処分方法は、今もまだ考え中です。メルカリに出してみようかとも思いますが、撮影や説明文の作成、発送の手間を考えると、また腰が重くなってしまいます。
着物以外の遺品については、この数年の間にある程度整理を進めていたため、今回は査定を依頼するほどのものはありませんでした。
しかし、着物だけは「価値がわからない。」という漠然とした思いで、先延ばしにしてしまっていました。
行政書士として感じた生前整理の重要性
今回の体験を通じて、専門家として日頃からお伝えしている「生前整理」と「エンディングノート」の重要性を、改めて痛感しました。
遺品整理は早ければ早いほど良い
ちゃんと整理してみると、全く思い出せない、思い出でもない品物が意外と多いことに気づきます。
よくわからないもので部屋を狭くしている場合も多々あるのではないでしょうか。
私自身、母の着物に対して特別な葛藤や迷いはありませんでした。それでも数年も先延ばしにしてしまったのは、
単純に「面倒だった」「どうすればいいかわからなかった」からです。その間、和箪笥はただスペースを占領し続けていただけでした。
処分先や方法を残しておくことの価値
もし母が生前に「この着物はこうしてほしい」「あんなものもあるよ、こんなものもあるよ」と、大まかにでも遺品の内容や処分方法を残してくれていたら、
もっとスムーズに、そして母の意思に沿った形で処分できたかもしれません。
せめて処分先や方法だけでも残しておいてくれれば、遺族の負担は大きく軽減されます。「〇〇のリサイクルショップに相談する」「△△さんに譲る」「捨てて構わない」など、具体的な指示があれば、遺族は迷わずに済むのです。
本当の思い出は「モノ」ではなく「文字」にある
そして最も印象的だったのは、着物そのものよりも、もしエンディングノートに書かれた母の字や文章のほうが、よほど大切な思い出になったのではないかという気づきでした。
実は、母は長年家計簿をつける人でした。その家計簿を見返すと、着物を見るよりもはるかに詳細に母のことを思い出せます。
「このとき子どもが生まれたんだな」「この頃はこんなお店に食事いってたな」「旅行にもいったな」
——細かく記された数字と短いメモから、母の日常や思いが鮮やかによみがえってきます。
物理的な「モノ」は劣化し、処分に困り、時に遺族の負担になります。しかし、本人が書いた文章や文字は、その人の存在を色濃く感じさせてくれる、かけがえのない思い出となります。
エンディングノートの価値は、財産目録や希望を記録することだけでなく、「その人が生きた証」を残すことにもあるのです。
文字や文章は、家族にとって何よりの贈り物になります。そのくらい、残してあげると家族が喜ぶものなのだと、改めて実感しました。
今からできること、今だからできること
遺品整理は、誰もがいつか直面する問題です。そして、それは決して「死」を意識した暗い作業ではありません。むしろ、今を快適に生きるため、そして大切な家族に負担をかけないための、前向きな活動です。
エンディングノートに書いておきたいこと
✅主な所有物のリスト(大まかで構いません)
✅それぞれの処分方法や希望(「〇〇に譲りたい」「処分して構わない」など)
✅思い入れのある品物があれば、そのエピソード
✅特に価値があると思われるものの情報
生前整理のすすめ
「いつか使うかも」は、ほとんどの場合「使わない」
思い出の品は写真に残して手放す選択肢も
元気なうちに、自分の意思で整理する方が後悔が少ないと思います
処分に迷ったら、「これを遺族が処分することになったら?」と考えてみてください。
おわり
母の着物を処分した体験は、行政書士として日々お伝えしている内容の重要性を、身をもって再確認する機会となりました。
「そのうちやろう」は、なかなか実現しません。私自身がそうでした。
しかし、着物の価値が年々下がっていったように、先延ばしにすることで状況が改善することは、ほとんどありません。
もしこの記事を読んで、少しでも「自分も整理しなきゃ」「親に聞いておこう」と思っていただけたなら、それが最初の一歩です。
完璧である必要はありません。まずは小さなことから、できることから始めてみませんか。
エンディングノートや生前整理について、もっと詳しく知りたい方、何から始めればいいかわからない方は、お気軽にご相談ください。
一緒に、あなたらしい「これから」を考えていきましょう。
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