在留手続の手数料値上げ「パブリックコメント」とは?

入管手数料の大幅値上げがSNSをはじめとして様々なメディアでとりあげられています。それに先だって、政府はこの値上げについてのパブリックコメントを開始しています。
パブリックコメント(パブコメ)について、わかりやすく解説したいと思います。

2026年7月3日、出入国在留管理庁は在留手続の手数料を引き上げる政令改正案を公表し、同日から「パブリックコメント(意見公募手続)」を開始しました。募集期間は2026年7月3日から8月2日までです。
ニュースやSNSでは「更新が最大7万5,000円に」「永住は20万円に」といった金額の話ばかりが先行していますが、実は「パブリックコメントって何をする制度なのか」がよくわからないまま話題だけ追っている方も多いのではないでしょうか。今回は、金額の詳細よりも、この「パブコメ」という仕組み自体を整理します。

そもそもパブリックコメントとは?

パブリックコメントは、国が政令や省令などのルールを新しく作ったり変えたりする際に、事前に案を公表して、広く意見を募る手続きです。行政手続法という法律に基づいて実施されており、国の行政機関に義務付けられています。

今回のケースで言えば、入管庁が「手数料をこの金額に変更したい」という案(政令案)を先に公表し、それに対して誰でも意見を提出できる期間を設けている、という状態です。

誰でも出せるのか?

出せます。日本国籍かどうか、日本に住んでいるかどうかは問われません。今回の手数料値上げに直接関わる外国人本人はもちろん、外国人を雇用している企業の担当者、支援団体、行政書士のような実務家も含めて、誰でも意見を提出できます。

提出は e-Gov のパブリックコメントのページから行います。案件ごとに専用のページが用意されています。
(e-GOVリンク)

意見を出したら金額は変わるのか?

ここが一番誤解されやすいところです。

パブリックコメントには法的拘束力がありません。つまり、「意見が多かったから必ず金額が変わる」という制度ではありません。

一方で、行政手続法上、行政機関には提出された意見を「十分に考慮する」義務があります。意見を踏まえた結果、内容が修正されることもあれば、案のまま確定することもあります。つまり、「意見を出せば確実に反映される」わけでも「出しても無駄」というわけでもなく、考慮されることが制度上保障されている、という位置づけです。それでは意見を出しても無駄ではないのか??というご意見もあるかと思います。たしかに、法律(手数料の上限を定める改正入管法)自体は2026年5月に成立・公布済みで、この部分はすでに確定しています。しかし、今回パブコメにかかっているのは、その上限の範囲内で実際にいくらにするかを定める政令案です。この政令はパブコメを経て正式に確定するため、現時点ではまだ「案」の段階です。

「もう決まったことだから意見を出しても仕方ない」と考えて何もしないのは、この制度の趣旨からするとやや早計と言えます。

意見を出すときにきをつけたいこと

パブコメは、単なる賛成・反対の投票ではありません。効果的とされるのは、以下のような具体的な意見です。
・案のどの部分についての意見か(該当箇所)を明確にする
・ 賛成・反対だけでなく、その理由を書く
・可能であれば、根拠となるデータや自身の経験・立場を添える
感情的な反対意見よりも、具体的な影響や代替案を示す意見の方が、行政側の検討材料として扱われやすいとされています。

まとめ


・パブリックコメントは、行政手続法に基づき、誰でも意見を提出できる制度
・法的拘束力はないが、行政機関には意見を考慮する義務がある
・ 現時点ではまだ「案」の段階であり、8月2日の募集終了後に正式な政令として確定する
・具体的な理由や根拠を添えた意見の方が、検討材料として扱われやすい

手数料の値上げについては様々意見があると思います。
具体的な増額金額や、減免措置などについては順次コラムにて追加していきたいと思います。
本記事の内容は2026年7月9日時点の情報に基づいています。最新の政令案の内容は、出入国在留管理庁またはe-Govパブリックコメントの公式ページでご確認ください。

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