「遺言書って、大事なものだから銀行の貸金庫に入れておこう」
そう考える人、けっこう多いんです。
でも実はそれ“見つけてもらえない遺言書”になってしまう危険性があるんです。
■ そもそも「貸金庫」ってどうなるの?
貸金庫は、契約している本人が亡くなると、すぐには開けられなくなります。
「家族だから勝手に開けても大丈夫でしょ?」と思いきや、
銀行側はそう簡単には開けさせてくれません。
たとえば──
相続人全員の同意書がないと開けられない
書類の提出や確認に時間がかかることもある
つまり、スムーズにはいかないんです。
■ 一番こわいのは、「貸金庫の存在自体、家族が知らない」ケース
たとえ手続きすれば開けられるとはいえ…
そもそも、貸金庫に入れたことを誰にも伝えていなかったら?
家族は存在すら知らずに、遺言書が見つからないまま相続手続きを進めてしまうかもしれません。
つまり、せっかく書いた遺言が“なかったこと”になってしまうのです。
■ 実際にあるこんな話
「父が遺言書を書いたって言ってたけど、どこにも見つからないんです」
→実は銀行の貸金庫に保管していたけど、誰にも言っていなかった。
→遺言書はずっと貸金庫の中。結局その存在に気づいたのは、すべての手続きが終わったあとでした…。
■ じゃあ、どうすればいいの?
自筆証書遺言を書くなら、保管場所も“見つけてもらえる場所”にしましょう。
たとえば──
✅ 信頼できる家族に「ここにある」と伝えておく
✅ エンディングノートに書いておく
✅ 安心なのは、法務局の「遺言書保管制度」を使うこと
✅ さらに安心なのは、公正証書遺言を作っておくこと(これは家庭裁判所の検認も不要)
■ 最後にひとこと
遺言書は「書いた」だけでは、意味がありません。
「ちゃんと見つけてもらえて」「ちゃんと使ってもらえて」初めて、あなたの思いが届くのです。
自筆証書遺言を考えている方は、保管方法もぜひ一緒に見直してみてくださいね。
「自筆証書遺言を銀行の貸金庫に入れたらダメ?」—思わぬ落とし穴とは?
